だいぶ前に指導した高校生が話していました。
昔、評論家の小林秀雄さんの娘さんが高校生のとき、
模試か何かの国語の評論の問題を家に持って帰って、父親の小林さんに読ませたところ、
「こんな訳の分からない文章を書く奴は誰だ」と腹を立ててしまいました。
ところが、実はその文章は小林さん自身が書いたものだった、というのです。
本当の話でしょうか。
作家の丸谷才一さんの本『桜もさよならも日本語』の中に、
国語の大学入試問題の批判が載っています。
そのうちの1つの章のタイトルは、ズバリ「小林秀雄の文章は出題するな」です。
ある大学の入試問題について、
「打ち割って言ふと、わたしにはこの小林の文章がチンプンカンプンである。・・・
貧弱な内容をごまかすため、無理に勿体をつけてゐるだけではないかといふ気がする。」
と書いています。
私も高校生のとき、受験対策として小林秀雄さんの本を買って読んでみましたが理解できず、
かなり落ち込んだような覚えがあります。
当時、この丸谷才一さんの文章を読んでいたら、ずいぶん気が楽になっていたでしょう。
国語の先生方も含めて、結構分かったふりをしている人が多かったのではないでしょうか。